喫茶店・東洋営業最終日のレポート（副題：マスターヒロシ暁の引退？）

喫茶店・東洋営業最終日のレポート

副題：マスターヒロシ暁の勇退

喫茶店・東洋・・・秋葉原でも古い部類の喫茶店。ブロードバンド時代以前から、モバイラーには電源タップがタダで利用出来ると言うお店で知られていました。そして2001年10月にIBMの協力により当時はまだ珍しかった無線LANを導入・・・しかもタダで利用出来るところから、秋葉原のフリースポットとしての地位を早くから確立し、モバイラー達にオアシスとなりました。


店舗の入り口付近・・・今にして思えば、ソフマップが台頭してきた事で、元々地下にある店舗が余計に目立たなくなったと言う感じですね。それが逆により一層の落ち着いた雰囲気を約束してくれるのですけどね。それにしても、東洋が構えるこのビルって「ソフマップ」や「とらのあな」等・・・いかにもアキバらしい店舗がひしめく中で、よく頑張ったと思えるのではないでしょうか？

店内は古き時代の喫茶店で、いかにも個人経営って感じですが、地下にあるので落ち着いた雰囲気を味わえるので、コーヒーや軽食をしつつインターネットを楽しむ事が出来ました。中でも東洋の名を一躍有名にしたのがその名も「ブロードバンドカレー」。味に関しては喫茶店のカレーと言う感じで特色がないのですが、ブロードバンドカレーと言うネーミングに多くのモバイラー達が引き込まれていった事は間違いないと思います。


店舗内の様子いかにも個人経営ってな感じの店内・・・今の喫茶店でこんな雰囲気自体珍しいのではないでしょうか？　それにしても痛かったのは、デジカメのホワイトバランスをマニュアルにしたので、本来の暗めでシックな照明が全然表現いない事が残念です（涙）


店舗内の様子・その２店内レジに置いてあるフリースポットを支えた無線LANの機器達。そして店内にある新聞記事は2002年3月20日に日本経済新聞の一面広告を飾った斉藤店長・・・これがブロードバンドカレーを一躍全国区にしました。（実際はThinkpad X23のお披露目広告だったと思います）

ただいつも盛況だったかと言えばその辺は微妙です。多くは東洋を知るモバイラー達かビジネスマンのみが利用しているくらいだと思いますが、それも頻繁と言う訳じゃなかったと思います。私自身も東洋の存在は知っていたのですが、利用したのは本格的にモバイラーとなった2003年からです・・・つまり私自身「にわか東洋ファン」でした。

そんな2003年12月下旬、斉藤店長からの突然の閉店宣言が出されました。

正直、いきなりの宣告に多くのモバイラー達が驚いた事と思います。閉店を惜しむ声・静かに閉店させよう声・利用問題を追求する声・・・様々な声が挙がりましたが、閉店する事に変わりないないと言う事で、閉店までの期間を東洋で過ごす人がたくさん訪れたと思います。それはある種の祭であったと・・・

最後のブロードバンドカレー
東洋の名物ブロードバンドカレーも、これが最後です。ちなみにご飯の状況により味が変化する事は、利用者の間で知られていたのはナイショです（笑）　そんなカレーも・・・これで最後かと考えると、それはそれで残念だと思います。なお閉店1時間前くらいから、カレーですら品切れ状態になると言うハプニングな盛況ぶりでした。ちなみに東洋のメニューです・・・赤い線が引いているのは、閉店が決まって作れなくなったものです。

そんな東洋も2004年1月12日21:00をもって閉店しました・・・
あの独特の「コーヒぃ～・こうちゃぁ～・サンドイッチはいかがですかぁ～」の台詞も、もう聞けなくなります。

今でこそ無線LANによるホットスポット化・もしくはフリースポット化は、こと都市圏では認知されつつありますが、認知される前からこのような取り組みを行ってきた東洋の存在・・・そしてそれを了承した斉藤店長は、ホットスポット・フリースポットの先駆者の1人として名を連ねてもおかしくない存在だと思います。

そんな斎藤店長も1月12日で勇退です。
お疲れ様でした店長。
恐らく秋葉原で会うことはないと思いますが、これからの人生もご健勝でありますように・・・

最後に店を出ると雨が降っていたようでした。

東洋の閉店に雨・・・
まさか神様も、この閉店に思わず涙・・・か？

2004/01/13 けけえす